簡単に手に入り、活用性もあるスーパーフードと言われる「発酵食品」。腸内環境を整えリーキーガットをはじめとする腸のトラブルにも有効的で、体のホルモンバランスや精神の安定にも活躍する優れものです。
発酵食品は日頃から取り入れたいのものですが、市販の漬物やキムチなどは、乳酸菌などの微生物が入っていないものや発酵を止めるために殺してしまっているものもあります。しかも添加物も意外に多い!
もっと安全で善玉菌がたくさん入った発酵食品を毎日食べたいという人に、今日紹介する「自家製ザワークラウト」は超お勧めの一品です。
なんてったって「簡単」「高コスパ」「無添加」の美味しい発酵食品が、毎日食べられるのですもの!しかもお好みのハーブを入れて「自分好みの味」にアレンジすることも十分できるのだから、作り上げていく楽しみも味わえます。
今日は初めてでも「失敗しないザワークラウトの作り方」と「失敗しないためのコツ」を紹介します。
ザワークラウトとは
ザワークラウトとは「ドイツの伝統料理」で「保存できる発酵食品」のキャベツの酢漬けです。しかし酢漬けと言いながら実は「酢」は全く使っておらず、キャベツの葉の表面に付いている「乳酸菌」が作り出す乳酸によって独特の酸味を出しています。
材料はいたってシンプル、「キャベツと塩」さえあればOK。そして作り方もいたってシンプル。適度に切り刻んだキャベツに塩を振ってそのまま放置するだけです。ドイツでは新鮮なキャベツを使い、各々の家庭でハーブを入れたり唐辛子を入れたりして変化を楽しんでいます。
みなさんもこの機会に添加物無しの発酵食品、そしてコストパフォーマンスも高いザワークラウトの乳酸菌パワーで、腸内環境を整えダイエット効果をアップしていきましょう!
ザワークラウト作りで失敗しないためのコツ
とは言っても、適当に作っては失敗しやすいのが「ザワークラウト」です。ザワークラウト作りで失敗する大きな原因は、何といっても主役である「乳酸菌」が繁殖してくれないことです。漬け込んだキャベツの中では、乳酸菌と他の雑菌とで過酷な陣地争いが繰り広げられています。乳酸菌の勢力が伸びず、雑菌が勝ってしまったら、残念ながらそのザワークラウトは失敗に終わります。つまり「腐敗」してしまうということです。
なので、ザワークラウトを成功させるための一番のポイントは、「乳酸菌が機嫌よく繁殖できる良い環境」を作ってあげることなのです。その為には下記のポイントをしっかりと掴んで、漬け込んだキャベツの中が乳酸菌にとって良い環境であるようにしてあげてください。
調理器具と手の雑菌を駆除
まずは敵である雑菌の入り込みを、最小限に食い止めましょう。その為にも調理器具の殺菌や手洗いを徹底しましょう。心配な人はビニール手袋着用でもOKです。
キャベツが空気に触れないようにする
乳酸菌は「嫌気性の微生物」です。実はとっても空気に触れることが苦手です。なので乳酸菌がじゅうぶん増えていない間は、漬け込んだキャベツが空気に触れないように気を付けましょう。その為に比較的簡単な方法を、あとから紹介します。
塩を入れすぎない
塩は殺菌作用があり、腐敗の原因をつくる雑菌だけではなく、乳酸菌にとっても苦手な存在です。しかし全く入れないと腐敗菌の繁殖も抑えられなくなってしまうので、どうしても使わないといけません。
「通常はキャベツの重さの2%」「夏場や気温が高い時期は2.3%~2.5%」と、調節しながら塩加減を見ていってください。
それでは以上のポイントをつかんでザワークラウト作りをしていきましょう!
ちなみに「瓶で作るザワークラウト」の作り方は下記のサイトです。
ザワークラウトの作り方
ザワークラウト作りにはいくつかの方法があります(筆者が知っているのは2つだけれど)。ひとつはガラスなどの「瓶に直接漬け込む方法」、もう一つは「ジップロックに密封して漬け込む方法」です。
今回は作りやすく、失敗か成功かが早く分かる「ジップロック」を紹介していきます。
材料
キャベツ | だいたい半玉(ひと玉でもOKですが、失敗すると切ないので) |
塩 | キャベツの重さの2%(夏場2.5%、冬場1.8%) |
調理器具
- まな板
- 包丁
- 大きめのボウル
- はかり
- さいばし
- ジップロック
- やかん(消毒用)
- アルコール
- キッチンタオル(あれば便利)
作り方
【1】やかん一杯に消毒用の熱湯を沸かします。
【2】調理器具の除菌を行いましょう。
まな板、包丁。さいばし、ボウルを熱湯消毒。
はかりはアルコール消毒してください。
【3】キャベツを5㎜巾の千切りにします。(あまり太すぎると塩もみで水分が抜けにくくなります)
一度にひと玉分作ってもOKですが、はじめは半玉ぐらいにしておくのが無難です。
【4】大きめのボウルにキャベツを入れて、量を正確に測ります。
【5】キャベツの重さの2%の塩を用意(通常時)。
2.3~2.5%の塩を用意します。
今回は梅雨時期ということもあって、2.5%で作ることにしました。(夏場は腐敗しやすいので塩を多くします)
【6】キャベツに塩を入れ、ぎゅっぎゅっと掴むようにしてもんでいきます。
強くもみすぎると切れ切れになってしまうので、手加減しながらしっかりと揉んでいこう!
【7】揉んだりこぶしで潰したりしながら、カサが減って水分がじゅうぶん出るようにします。
キャベツがしんなりしてきたらOKです。
【8】しんなりしたキャベツをジップロックに入れます。
【9】キャベツから出た水分も全部ジップロックに入れましょう。
【10】空気を完全に抜いて、ジップロックの口を閉じる。
乳酸菌は空気に弱いので、しっかりと抜くことがポイントです。乳酸菌が弱まると雑菌が増え腐敗します。
【11】これでひとまず出来上がりです。このままの状態で室内で放置。極端に気温の高い場所や西日の当たる場所などは避けましょう!
ペットボトルなどを重石にして乗せておくと良いでしょう。
【12】室内放置の状態で2日たったところです。少し黄色く変色しだし、たくさんの泡が出ています。
この泡は乳酸菌が順調に繁殖している証拠です。ジップロック内に空気がどんどんたまってくるので、キャベツが空気に触れないように(水の中に浸かっているように)注意しましょう。
【13】夏場で3日目(冬場で4∼5日目)ぐらいになるとだいぶ黄色くなり出し、泡もたくさん立ちだします。(瓶の場合はジップロックよりも発酵がもっと緩やかになるので、4日~5日ぐらいでこの状態になります)
この段階で清潔な箸で少し取り出して、味見してみましょう。
さわやかな酸味が出ていれば、乳酸菌が順調に育っています。雑巾の様な不快な臭いがあり、酸味があまりなければ腐敗菌が繁殖しています。残念ですが廃棄しましょう。
【14】このまま常温で放置すると乳酸菌がどんどん繁殖し、酸っぱくなっていきます。ここからは乳酸菌の繁殖を抑えるために、冷蔵庫で保存するようにしましょう。
ジップロックのまま入れてもOKですが、瓶に移した方が、キャベツがしっかりと水に浸かりやすく、取り出しやすいので筆者はそうしています。
冷蔵庫で清潔に保管された状態だと、だいたい半年ほどは日持ちします。
取り出すときには清潔な箸やトングで取り出しましょう。
日がたつにつれて発酵の度合いも進み、味も変化していきます。楽しみながら頂きましょう!
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