一昔前は「3食きちんと食べることがダイエットの秘訣」などと言われてきましたが、昨今の「断食による心身にもたらせれる効果」の研究が進むにつれて、16時間断食を始めとする「断食」を生活の中に取り入れることへのメリットに注目が集まっています。
健康面からも精神面からも、そしてダイエットでウエイトコントロールをするにあたっても、「断食のメリット」を上手に使うことがとても効果的だと言われています。
しかし「16時間断食ダイエット」といっても、その「効果」や「他のダイエットとの違い」も分からない、「上手なやり方」も分からないという人は結構多いと思います。
今回は「16時間断食を無理なく実行してもらう」ために、次のポイントをみなさまに紹介していきます。
- 16時間断食と他のダイエットとのちがい
- 16時間断食ダイエットをお勧めする理由
- 16時間断食のメリット・効果
- 16時間断食ダイエットのやり方
- 16時間断食を継続するためのコツ
正直、どんなダイエットでもメリットとデメリットがあります。16時間断食ダイエットも、向いている人と向いていない人がいます。
ちなみに筆者は「16時間断食5年生」ですが、それなりの恩恵を受けています。
今回は、16時間断食と他のダイエットとのちがいも紹介していますので、「自分は16時間断食ダイエットにあっているかな?」と考えながら読み進めて下さい。
16時間断食と他のダイエットとのちがい
ダイエットの種類とやり方のちがい
16時間断食ダイエットをはじめとするダイエット法には、色々な種類がありますが、おもに大きく分けて2つあります。
- 食事の【内容】を制限するダイエット…「糖質制限」や「脂質制限」
- 食事の【時間】を制限するダイエット…「ファスティング」や「一日一食ダイエット」
「食事の【内容】を制限するダイエット」は、「〇〇を食べない」や「〇〇ばかりを食べる」といったように、特定の「食品」や「食べ方」に偏る傾向にあります。そのため栄養に偏りが出たり、食事内容に満足感が得られず、慢性的な物足りなさを抱えることになりがちです。
後者の「食事の【時間】を制限するダイエット」では、食事を一定の時間断ち絶食状態をつくるものの、食事の内容には特に制限はありません。そのため一時は極度な空腹状態になりますが、それ以外の時間では通常の食事ができるので、満足感がえられる傾向にあります。
そして16時間断食ダイエットは、まさにこの「食事の時間を制限するダイエット」です。
「食事の【時間】を制限するダイエット」には、おもなもので以下の4つがあります。
- ジュースクレンズ…3日や1週間といった一定の期間専用のジュースのみで断食を行う
- イート・ストップ・イート…週に1~2回の割合で24時間断食を行う
- ウォーリアー・ダイエット…夜中に一食だけ好きなものを食べる
- リーンゲインズ…16時間(あるいは8時間)断食を行い、残りの時間で食事をとる
この種のダイエット全般に言えることですが、一定時間食事を断つことにより、意図的に身体に飢餓状態を作り出しその効果を狙うことが目的です。
「ジュースクレンズ」は断食期間が長いため、個人で気軽に取り入れることが難しく、「イート・ストップ・イート」は断食時間が24時間と長いために、慣れるまでに努力が必要です。
それに比べて「16時間断食」をはじめとする「リーンゲインズ」は、断食時間が短いために無理せず達成することが可能です。
それでは数あるダイエットの中から、どうして「16時間断食ダイエット」をお勧めするのか、その理由を解説していきます。
16時間断食ダイエットをおすすめする理由は?
挫折しにくい
16時間断食ダイエットは「空腹時」と「満腹時」のメリハリがはっきりしているために、「慢性的な物足りなさ」をあまり感じることがありません。
さすがに最初の1週間~半月ほどは、身体が慣れていないため、断食中に強烈な空腹感を感じます。しかしこの状態は、16時間断食をコンスタントに続けることにより、徐々に解消していきます。
このように、精神的にも負担が少ないことと習慣化しやすいことが、挫折しにくい大きな要因になっています。
カロリーコントロールがしやすい
16時間断食を行うと、1日2食のペースになります。1日3食の場合よりも2食の方が、カロリー計算が簡単です。1日の総摂取カロリーを少し減らしても、1食当たりのカロリーは増えるため、食事のバリエーションをつけることができます。
そして筋肉量アップ、代謝アップを図りたい人は、総カロリーをそのままでタンパク質の摂取率を上げることも簡単に出来ます。
このように16時間断食ダイエットは、「体重を減らしながら、代謝を維持する」食事を組むこともできます。
ダイエット以外の効果がありすぎる
16時間断食をお勧めする理由の一番は、ダイエット効果ももちろんですが、「それ以外の効果」が絶大だからです。
それではその絶大な効果を、次の項目で具体的に解説していきます。
16時間断食ダイエットの効果とは
体質改善・若返り効果
16時間断食は「食べない時間を意図的に作る」方法です。断食時間を作り、あえて身体に飢餓状態の環境を与えます。その為に、身体ではさまざまな生体反応が起こります。
まずは食べない時間を増やすことにより、胃腸や肝臓といった消化器官の負担を軽減させることができ、それらの機能を整えます。
それにプラスして、身体が飢餓状態になると「オートファジー」という作用が発動します。
オートファジーとは2016年に大隅良典博士がノーベル賞を受賞した「細胞の若返り効果」で、細胞内にできた「異常を起こしたタンパク質」「古くなったミトコンドリア」「破壊された細胞」といった細胞のゴミを、いったん分解し新しい細胞に再利用するという、いわば細胞のリサイクル作用のことです。
この作用は12時間~16時間の飢餓状態の間に活性化し、体中の細胞を一掃して若返らせます。そして「がん予防」「生活習慣病の予防」が期待できます。
まさに細胞レベルで体質改善してくれるのが、この16時間断食なのです。
体重減少
一日3食から2食に減ることによるカロリーコントロールと、オートファジーによって若返った身体による基礎代謝のアップから、体重減少がスムーズに行われます。
メンタルの改善
身体の酸化作用が軽減し、血中内のストレスホルモンの減少により、メンタルが安定します。
そして断食中は食物が身体に入ってこないため、血糖値の上昇や下降が起こらないため、眠気にも襲われず頭が冴えた状態になります。
ストレスも軽減し脳が冴えた状態になるので、仕事や勉強がはかどります。
16時間断食の具体的なやり方
断食する時間はどのようにするの?
16時間断食は一日の24時間の中で、「食事をしない時間を連続して16時間つくる」ダイエット法です。
食事をしない時間は「連続」してとることが必須です。
そして「断食時間はどの時間帯に取ってもOK」で、自分の生活パターンに合わせてスケジュール設定ができます。
朝食を抜きたい人は、前日の夕食から昼食までの16時間を断食にあて、夕食を抜きたい人は夕食から次の日の朝食までの時間を断食にあてましょう。
その日のスケジュールによって、パターンを変えることも可能です。臨機応変に対応できます。
断食時間中の食べ物や飲み物は?
食べ物も飲み物も、基本的にいっさいのカロリー摂取はやめましょう。低カロリーの野菜などもNGです。
できればノンカロリーと書かれているものも避けるようにしましょう。
飲み物では水、お茶、コーヒー(ブラック)など、カロリーの無いものはOKですが、それ以外は口にしないようにしましょう。
フルーツジュースやファスティング用の飲み物、プロテインもNGです。ノンカロリーと表示されているものでも、微量のカロリーが入っている場合があるので避けることが賢明です。
▼16時間断食で「飲んでいいもの」の詳しいサイトはこちらです。
断食明けの「食事時間」には何でも食べてOK?
食べる内容も制限がありません。偏らずにバランスよく食べましょう。摂食時間中は間食もOKです。ただし取り過ぎに注意しましょう。
なんでも好きなものを好きなだけ飲み食いしてOKです。だからと言って、必要接収カロリー以上のものは取らないようにしましょう。
それ以外の制限はあるの?
制限はありませんが、以下の2つのことを意識しておきましょう。
- 週に2回は適度な運動を取り入れる
- 運動しない日は炭水化物を控える
16時間断食を継続するためのコツ
自分に合った時間割を設定する
16時間断食ダイエットでは「断食時間を一日のどこに設定するか」が非常に大事です。仕事の形態や時間帯、自分の一番パフォーマンスを発揮する時間帯はいつなのかを把握して、無理なく断食が行える時間割をつくりましょう。
ちなみにこちらのスケジュールは筆者が実行しているものです。
断食時間は、夜8時30分~翌日12時30分です。睡眠時間と朝食を抜くことによって、16時間の断食時間を設定しています。
特に午前中は断食をし、頭が冴えた状態で仕事をしたいためにこのようにしました。
筆者は自宅ワークが多いためこのような時間割にしていますが、それぞれ自分の生活形態にあった時間割を組む様にしてください。
ちょっと面白い視点ですが、自分の睡眠タイプ「クロノタイプ」に合わせてスケジュールを立てるというやり方もあります。
それはこちらのサイトで詳しく解説しています。
16時間断食の効果を上げる習慣を取り入れる
運動を習慣にする
「定期的な運動習慣」はそれだけでも「ダイエット効果」と「体質改善効果」がありますが、断食時間中の飢餓状態の最中に行うことによって、より一層の効果を発揮します。
それと、断食で体重を思い切り落としたい場合は、筋肉の減少に注意してください。どんなダイエットの場合でも、脂肪分解と共に筋肉の減少が起こります。その分の筋肉強化のための運動は積極的に取り入れてください。
食習慣を整える
摂食時間中の食事は、できる限り栄養価の高い良質な食品を選ぶことを心がけましょう。せっかく16断食ダイエットで身体を若返らせても、ジャンクフードや加工食品などを食べていたら本末転倒です。正しい食品を正しい方法で摂取するよう、食習慣を整えましょう。
▼16時間断食と平行に、ぜひとも取り入れてほしい食習慣を解説したサイトはこちらです。
良質な睡眠習慣
食事と共に大切なことは、良質な睡眠を取ることです。
特に睡眠不足に陥ると、ストレスにより血中のコルチゾールが増加し、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の減少と、食欲がアップするホルモン「グレリン」の増加が起きます。そして暴飲暴食を引き起こし肥満になりやすくなります。その為にも深く充分な長さの睡眠を確保しましょう。
特に就寝後のノンレム睡眠中に出る「成長ホルモン」は身体の修復や若返りを促進させてくれるので、この「睡眠のゴールデンタイム」を充実させるためにも、日頃の生活習慣から改善していきましょう。
段階を付けて実行する
最初から断食時間を16時間するには、人によっては多少無理があります。不安な場合は8時間断食から始めましょう。一週間続けて慣れてきたら次は10時間、12時間、14時間というように、段階を付けてチャレンジしていきましょう。14時間が慣れたら16時間はあっという間です。
環境を整える
特に家族などの同居人が居る場合は、事前に断食をすることを知らせておく方が良いでしょう。じゅうぶん理解してもらい、出来る限り協力してもらいましょう。いっしょに16時間断食を行えるようになったらベストです。
断食時間中の辛い時は、なるべく食べ物が目に入らない場所に居ましょう。特に匂いの届かない場所にいるか、不可能ならコーヒー(ブラック)や香りのあるハーブティーなどを飲んで、気を紛らわしましょう。
断食中に空腹が耐えられない時は
16時間断食中に空腹がどうしても耐えられない時って、実は誰でも経験することです。「どうしても」って時はあまり無理をせず、少量のナッツを噛みしめながら食べましょう。
その時のポイントは、アーモンドでもクルミでも好きものでokですが、油や塩分を使っていない「素焼きローストタイプ」を選ぶようにしてください。
その他「16時間断食ダイエット」には、いくつかの注意点や失敗しやすい原因があります。そちらは下記のサイトをご参照ください。
まとめ
今回は「16時間断食ダイエット」について次のことを紹介しました。
以上のことを少しずつ取り入れて、ダイエットを成功させましょう。
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