「16時間断食」はダイエットの中でも、特に成果が出やすく、自分のペースに合わせてカスタマイズしながらウエイトコントロールがしやすい方法です。しかも細胞レベルから若返らせる「オートファジー」の効果で、アンチエンジングを初め、生活習慣病の予防や痴呆症の予防まで期待できるダイエットです。
16時間断食の基本は、一日の中で16時間何も食べない時間を作り、残りの8時間で食事をします。食事ができる摂食時間の間には、好きなものを好きなだけ食べることができ、特に細かいカロリー制限をしなくても大丈夫です。しかしどんなに好きなものを食べていいとはいえ、何でもかんでもOKというわけではありません。
今回は、より効率よくダイエットができて体質も改善される、「16時間断食の効果をUPさせるような食習慣」をご紹介します。数ある食品の中でも特に「食べたらOKな食品」と、それらを効率よく摂り入れるための「選び方」や「調理の仕方」などの「摂り入れるポイント」をご紹介します。
そして、その反対に「16時間断食の効果を下げるNG食品」もあるのでご注意ください。
なお、16時間断食の方法や効果を詳しく紹介した記事は、こちらになります。ご参考にしてください。
食べてOKな食品を摂ると「なぜ16時間断食の効果がUP」されるのか
体質改善のための3つのかなめ
体質改善のかなめには「抗酸化作用」「抗炎症作用」「腸内環境を良くする作用」があります。抗酸化作用は身体に酸化物質が過剰に溜まることを防き、細胞の老化を防ぐ作用です。抗酸化作用はおもに血管にダメージを与える慢性炎症を防ぎ、体の不調やメンタルの悪化を防ぐ作用です。腸内環境の悪化も肥満の原因になり、お肌のトラブルの原因になります。進行すれば腸壁から細菌や未消化のタンパク質などが血管中に流れ込むリーキーガットを引き起こし、アレルギーや炎症のもとになります。
この3つの作用をより効率よくUPさせるには、抗酸化・抗炎症作用があって、腸内に善玉菌をふやす成分を多く含む食品を積極的に摂る必要があります。
ダイエットを成功させるための3大効果
ダイエットを成功させる3大効果は「代謝の向上」「食欲の抑制」「体重減少」です。代謝を向上させるためには、まず適度な運動が必要ですが、ポリフェノールなど脂肪燃焼作用のある食材を積極的に摂る必要がります。
そして食欲を抑えて体重コントロールをするには、糖分の吸収をゆるやかにして、血糖値の急上昇を抑える必要があります。その為には糖分の吸収を穏やかにする食物繊維を多く含む食品を摂取したり、食べ方を工夫する必要がります。
それらの成分を多く含む食材が、16時間断食の効果をUPさせる食品です。
16時間断食の効果UP!食べてOK食品
ビタミン・ミネラル
ビタミンミネラル、そして食物繊維を多く含む野菜や果物は積極t的に食べたいものです。特にその中でも、私たちの体を酸化から守ってくれる抗酸化作用の高い「ファイトケミカル」という物質を多く含むものを摂っていきましょう。ファイトケミカルとは、野菜が自分の体を守るために作り出した物質で、強い抗酸化作用があります。主なファイトケミカルの種類は「ポリフェノール」「カロチノイド」「硫黄化合物」「ビタミン」です。
そして、ファイトケミカルを多く含む野菜は下記のものになります。
- 【ポリフェノール】ベリー類、ブドウ、ブロッコリー、サツマイモ、ゴボウ、春菊、小豆、ナスなど
- 【カロチノイド】トマト、ホウレン草、赤ピーマン、ケール、スイカ、レモン、ミカンなど
- 【硫黄化合物】ニンニク、タマネギ、わさび、ねぎ、大根、キウイなど
- 【ビタミン類】野菜・果物全般
豊富な葉物野菜を中心に、イモ類や根菜をおり交ぜながら、ニンニクやわさび、ネギや大根おろしといった薬味で味付けし、塩分を控えめにして献立を立てましょう。
タンパク質
肉やたまご、大豆製品に含まれるタンパク質は重要な栄養素です。これらを摂り入れる時のポイントは「オメガ3脂肪酸」と「オメガ6脂肪酸」のバランスの良いものを選びましょう。オメガ3脂肪酸は細胞の炎症を抑える作用があります。
オメガ3脂肪酸を多く含むものは魚類です。サーモン、サバ、イワシなどから良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸を採り入れましょう。なお、オメガ3脂肪酸は酸化ダメージを受けやすいので、サプリメントから摂らずに、形のある魚やサバなどの水煮缶から摂取しましょう。
肉類も良質なタンパク源です。脂肪の取り過ぎに注意することと、AGEを発生させないように調理に注意しながら適度に採り入れましょう。ただし、ソーセージやハムなどの加工食品は添加物の問題などがあるため、摂取を控えましょう。
たまごは手軽に採り入れやすいうえ、良質なタンパク質とビタミンDが豊富な食品で、アンチエイジングにも効果があるといわれています。積極的に利用しましょう。
炭水化物・糖質
糖質制限ダイエットでは完全に悪者にされている炭水化物・糖質ですが、体にとっては必要不可欠な栄養素です。特に大量のエネルギーを使う脳にとっては、糖質の不足は致命的です。糖質を選ぶポイントは、血糖値を急上昇させない良質な炭水化物・糖質をを選ぶことです。それにはビタミン・ミネラル・食物繊維の多く含まれた糖質食品を選びましょう。
- 【イモ類】…サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、タロイモ
- 【野菜・果物】…ニンジン、タマネギ、カボチャ、果物全般
- 【ベリー類】…ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー
- 【穀類】…玄米、分づき米、白米、全粒粉のパンやパスタ
主食は玄米や分づき米、全粒粉パンなどにイモ類を混ぜながら摂るのが理想的です。甘いお菓子の代わりにフルーツの盛り合わせや、便利な冷凍ベリーを使ったヨーグルトなどをとり入れましょう。
脂質
脂質選びのポイントは「オメガ6脂肪酸」を少なくして「オメガ3脂肪酸」「オメガ9脂肪酸」が多く含まれているものを摂り入れることです。普段の食生活ではどうしてもオメガ6脂肪酸は摂りすぎになり、オメガ3脂肪酸は少なくなりがちです。普段使いの油を変えるだけでも、この問題を解決できます。おすすめの油は下記のとおりです。
- 【オリーブオイル】…オメガ9(オレイン酸がメイン)
- 【アボカドオイル】…オメガ9(オレイン酸がメイン)
- 【アマニ油・エゴマ油】…オメガ3(リノレン酸がメイン)
- 【こめ油・ごま油】…オメガ9(オレイン酸)とオメガ6(リノール酸)が半々
その他にオメガ6脂肪酸が少なく中鎖脂肪酸であるラウリン酸を多く含む「ココナッツオイル」も取り入れましょう。
調理のポイントは、揚げ物や炒め物など加熱時にはオリーブオイルやココナッツオイル、こめ油などを利用して、熱のダメージを受けやすいオメガ3脂肪酸を多く含むアマニ油やエゴマ油は、加熱せずにドレッシングやあえ物に使用しましょう。
ナッツ類
ナッツには体に良い「オメガ9脂肪酸」と「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれています。特にオメガ3脂肪酸は、脂肪が大半を占める脳にとっては必要な成分です。その他にも豊富なビタミンとミネラル、食物繊維がバランスよく含まれていて、腸内環境の改善や、抗酸化作用、抗炎症作用などの働きもあります。美容にも健康にも、そしてメンタル改善にも欠かせない食材です。
ほとんどのナッツが100gあたり約500~600kcalありますが、食物繊維などの影響で、他のオイルほどの吸収率はありません。一日に20g以上を摂ると効果的です。
発酵食品
栄養価も高い上に「痩せるスーパーフード」が発酵食品です。発酵食品には腸内環境を改善やメンタルの改善を促す働きがあり、お肌にも良い結果が出ています。抗酸化作用や抗炎症作用もあり、血糖のコントロールもするといわれています。特に肥満の人には効果的で、体脂肪の減少や血圧の改善が確認されています。
日常で取り入れてほしい主な発酵食品は、納豆・キムチ・ぬか漬け・ピクルスなどです。
スパイス
スパイスの効果は、減塩のための利用や味のバリエーションを増やすだけではありません。ファイトケミカルであるポリフェノールやカロチノイド、硫黄化合物が多く含まれ、体を活性酸素から守ってくれます。特にローズマリーやセイジ、タイムといったハーブ類は、ポリフェノール含有量がトップレベルで、ローズマリーはその香りがボケ防止にも効くといわれています。
日本のスパイスであるワサビやトウガラシにも、カプサンチンやイソチアシアートといったファイトケミカルが豊富に含まれています。これらのスパイスを、調理の際に上手に利用しましょう。
食べてOK食品を摂るときの重要なポイント
質にこだわる
野菜や果物
積極的に摂りたい食品である野菜や果物も、無農薬や有機栽培のものを積極的に選びましょう。無農薬野菜を取り扱ったサイトや産地直送のサイトで購入する方法もあります。そして、なるべく旬の野菜は積極的に摂るようにしましょう。
肉や魚・たまご
牛や豚、鶏といった家畜類は、飼育時に抗生物質やホルモン剤を与えられていない安全なものを選びましょう。できればフリーゲージや放牧などで育てられたものや、自然の草だけ育てるグラスフェッドビーフなどが良いのですが、あまり神経質にならずにできることからしていきましょう。
良質なタンパク質やEPA・DHAを多くふくむ魚も、養殖と天然物とで大きなちがいがあります。特に脂質のは顕著で、養殖は天然よりも全体的に脂質が多くなりますが、EPA・DHAといったオメガ3脂肪酸は減少し、代わりにオメガ9やオメガ6脂肪酸が増加傾向にあります。意識的にオメガ3を増やしたい場合は天然物を食べましょう。そして、養殖エサに含まれる抗生物質の心配もあります。
天然物に関しては大型の回遊魚の水銀問題も考慮しましょう。
バランスにこだわる
16時間断食をすると食事の回数が減ってきます。すると食事の量も減ってくるので、「1日30品目」を何が何でも摂ろうせずに、栄養素によって偏りが無いように献立を組みましょう。どんなに体に良い栄養素でも、中には過剰摂取で問題をきたすものや、自然排出されずに体に蓄積するものがあります。リスク回避のためにも、色々な栄養素をバランスよく摂り入れましょう。
調理法にこだわる
どんなに優れた食材でも、調理法ひとつで栄養素が大幅に失われたり、毒素が発生したりします。特に注したい点を下記にまとめます。
- 【肉類】…高温加熱で体のサビの原因であるAGE(糖化最終生成物)が発生します。揚げ物や急激な炒め物など高温になりやすい調理法は避け、なるべく煮物や低温調理した焼きものにしましょう。
- 【わさび・大根おろし】…これらの食品がもつ優れた抗酸化物質は揮発性が高いため、調理後に時間がたてば失われてしまいます。食べる直前に用意するようにしましょう。
- 【ネギ】…ポリフェノールである硫化アリルは熱に弱いので、生の状態で利用するか、軽く加熱するようにしてください。
その他にも水に流してしまったり、捨ててしまいがちなポリフェノールがたくさんあります。それを防止するための方法を下記のサイトで紹介しています。参考にしてください。
食べる順番にこだわる
一番のポイントは炭水化物・糖質をどのタイミングで食べるかということです。炭水化物は消化の段階で糖質に変化し、血液中に入ると血糖値を上昇させます。そして何よりも恐い点は、16時間断食を終えた空腹時に摂取された糖質は、血糖値を急激に上昇させて、インシュリンを分泌する臓に負担を掛けてしまうことです。しかも急上昇した血糖値は急激に下がりやすく、すぐ空腹になります。
そのような血糖値の急上昇を避けるためにも、16時間断食あとの空腹状態のときの炭水化物・糖分の摂取を控えましょう。
- まずは野菜サラダを、ゆっくり嚙んで食べる。
- 次に肉や魚(タンパク質)を食べる。
- ある程度食欲が収まってきたら、ご飯やパン(炭水化物)を食べる。
- 甘いものやデザートを食べる。
そして「16時間断食」を成功させるためにも、摂食時間のあいだに、楽しみのための間食(おやつ)を摂りいれましょう。「甘さ」や「満腹感」がありながらもダイエット効果を上げる間食を下記のサイトで解説しています。ご参照ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。16時間断食の効果UPのためにも「食べたらNG食品」は、できれば一切食べないようにすることがベストです。しかし仕事やお付き合い、家族との関係で全くゼロにすることは不可能だと思います。しかし「食べたらNG食品の項目」を念頭に置いて、少しずつ全体から占める割合を減らしていきましょう。
「食べてOK食品」は、積極的に摂り入れましょう。特にナッツ類は、断食中のどうしてもつらい時の助け舟として摂取できる食品です。16時間断食の効果UPのためにも、食事は最高の内容とバランスにしていきましょう。
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