オートファジーの活性化や体重コントロールなど、たくさんの効果が期待できる「16時間断食」ですが、「自分は日常生活の中で、断食時間を作ることが難しい」と思っている人は、意外に多いのではないでしょうか。
特に断食することで、「仕事の生産性に支障が出たらどうしよう」と心配されている人は、自分の体の中のリズムである「クロノタイプ」の時間割にもとづいて、仕事や断食のスケジュールを組んでみてもいいと思います。
「え?クロノタイプって何?」という人のために、クロノタイプの説明と診断の方法、そして16時間断食が失敗しないスケジュールを立てるために、クロノタイプ別の時間割を当てはめながら組んでいく方法を解説します。
尚、16時間断食の効果と成功のためのノウハウはこちらのサイトで解説しています。
サイト:なぜダイエットは失敗する?16時間断食の正しい方法と効果
16時間断食とクロノタイプとの関係は?
クロノタイプとは?
「クロノタイプ」とは、アメリカ睡眠医学委員会の認定医でもあるマイケル・ブレウス博士が、20年もの臨床結果から、人間の睡眠が「従来の朝型・夜型」と、それ以外の「不眠症タイプ型」に分かれることを見出し、全部で4つのタイプに分類しました。それぞれのタイプは、睡眠のリズムや生産性が上がる時間帯も異なり、タイプ別の持つリズムに基づいて仕事や運動、休息を取り入れることにより、効果的な一日を送れることを提唱しています。
クロノタイプは「ライオン」「クマ」「オオカミ」「イルカ」の4種類の動物にたとえられ、それぞれ生活リズムと性格的特徴が違います。
ライオン型(朝方)
人口の15%~20%を占め、比較的早朝から自然に目覚め、すぐにパフォーマンスを発揮するのがこのライオンタイプです。午前中に最も集中できる時間帯が来ることから、重要なタスクを早いうちからこなすことができます。しかし午後になると、その能力も低下し始めます。性格的には楽観的でありながらも、しっかりと現実的な考えができるタイプです。
他の動物と比べて早起きな分、最も早く眠りにつきます。
クマ型(朝~昼型)
人口の半分を占めるのが、このクマ型のクロノタイプです。体内のリズムが太陽の運行に近く、昼に集中できる時間がくるタイプで、学校や会社の時間割に適した生活が送れます。性格も開放的で人に対して親切、楽しいことが好きで基本的にオープンな性格です。しかし人によっては初めは人見知りがありますが、仲良くなると打ち解けます。
夜もぐっすりと眠れる方で、目覚めと共に体を動かせるタイプです。
オオカミ型(夜型)
ライオン型と同様に人口の15%~20%を占め、典型的な夜型タイプがオオカミです。日中はボルテージが上がらずに、夕方の日が陰りだしてからいよいよ行動に入る夜のハンターの生活リズムです。のちに解説するイルカ型と同様、学校や会社の時間割に最も適していないタイプです。性格は気分のアップダウンが激しく、論理よりも感情で行動するクリエイティブなタイプです。
集中時間の多くが夜にあるために、眠りにつくぎりぎりまで全開でタスクをこなすことができます。そのために就寝時間は深夜になります。
イルカ型
わずか人口の10%の少数派が、イルカ型のクロノタイプです。不眠症など睡眠に関しての悩みを、少なからず抱えています。性格は感情やノリで行動するタイプとはちがい、知性派で完璧主義です。そして神経質な面があり、しばしばとっつきにくそうに見られることもあります。
午後から夜にかけて集中時間が訪れ、最もパフォーマンスが上がりますが、就寝前の2時間ほどはリラックスして過ごし、スムーズに睡眠に入れるようにすることが大切です。
16時間断食にクロノタイプを活用したらどうなるか
クロノタイプによって、「集中できる時間帯」と「頑張りが効かない時間帯」がちがいます。なるべく集中できる時間帯に、一日で最も重要な仕事をもってくることが理想的です。
そして「集中できる時間帯」は、脳がいちばんエネルギーを必要とする時間帯です。この時間帯に摂食時間(エネルギーチャージ時間)をもってくるか、断食時間をもってきて、空腹の状態でパフォーマンスを上げるかは、人それぞれ違います。自分が生産性を上げられるのは「満腹時」か「空腹時」かを見極め、16時時間断食の時間割を組んでいきましょう。これが16時間断食を成功させる、ひとつのカナメになります。
それでは自分のクロノタイプを診断し、それぞれのリズムに合わせて断食時間を設定していきましょう。
クロノタイプ診断
クロノタイプを割り出す診断サイトは、下記の2つになります。
ひとつ目は日本のサイトで、比較的簡単にできます。ふたつ目は海外のサイトなので、質問が英語でで記されています。日本語訳を付けておきますので、それに基づいて行ってみてください。
日本語サイト:あなたの睡眠を分析する 睡眠タイプ別診断 https://16test.uranaino.net/others/sleep/test/
海外サイト:what’s Your Chronotype?Take our quick quiz to find outhttps://thepowerofwhenquiz.com/
海外サイトの日本語翻訳サイト:海外のクロノタイプ診断の日本語訳サイト
「クロノタイプ別」16時間断食のスケジュールの組み方
【イルカ】断食スケジュール
まずは筆者がイルカ型なので、最初に解説していきます。イルカ型は午前中が苦手で、午後3時以降から調子が徐々に上がり、夕方から夜にかけてエンジン全開になります。
◆集中時間に「エネルギー補給」
一日の内で最もパフォーマンスが上がる午後から夜にかけての時間帯に、食事の時間をもってくる時間割です。
学校でも会社でもイルカ型は、苦手な朝から決められたタスクをこなすことを要求されるため、お昼にはエネルギー切れでへとへとになってしまいます。午後からの集中時間に一日のタスクをこなすためにも、正午からのエネルギーを摂っておくパターンです。
◆集中時間に「断食タイム」
逆にボルテージの上がらない午前中から、食事の時間を持ってくる時間割です。
起きて運動をした直後に朝食をとり、そのまま午後の3時までの間に摂食します。学校や会社勤めの場合は、摂食タイムが終わる3時直前に食事が出来ない場合があります。その時は、携帯用のナッツやフルーツを常備し、軽食代わりに食べましょう。
しかしイルカ型の場合は、不眠タイプの人が多いので、「どうしてもお腹が空きすぎて眠れない」といった場合があります。その時は一度「集中時間にエネルギー補給」の方を試してみて下さい。
左の表はクロノタイプ「イルカ」である筆者の実践スケジュールです。
筆者は「集中時間にエネルギー補給」のパターンを選びました。それに一日の必要な項目を当てはめスケジュールを立てた図が、下記のものです。
クロノタイプの時間割に少し当てはまらない部分もありますが、あまり無理をせずに仕事も断食もこなしていけています。
【ライオン】断食スケジュール
◆集中時間にエネルギー補給
ライオン型が最もパフォーマンスを発揮する、早朝から午前中にかけて食事時間をもってくる時間割です。起きて直ぐにアグレッシブに動き回るライオン型にとって、午前中のエネルギー不足は致命的になります。眠りにもスムーズに入れるタイプなので、午後から晩にかけて断食タイムに当てるのは容易にできる可能性があります。
◆集中時間に断食タイム
「いやいや、やはり集中できるのは空腹時だよ!」という現代エグゼクティブタイプのライオン型は、あえてパフォーマンスが上がる午前中に、断食時間を当てましょう。16時間断食が慣れてくると、空腹の心地よさを感じるようになり、食事をとる時間ももったいなくなります。その勢いで、一気にタスクをこなしていきましょう。
【クマ】断食スケジュール
◆集中時間にエネルギー補給
クマ型はいちばん太陽の運行に生活リズムが近いので、集中する時間帯も一日の中心にあります。朝一番に朝食をとり、最も集中できる午前から午後の時間帯に食事をとる時間割がこれに当たります。しかしクマ型は、昼食後に眠気が襲うタイプなので、12時の昼食は見送って3時の断食に入る直前にしっかりとした食事をとる方が理想的です。会社勤めなどで時間の融通が利かない場合は、12時に昼食、3時には携帯のナッツやフルーツなどを摂るようにしましょう。
◆集中時間に断食タイム
集中時間を空腹で挑みたい人は、12時から食事をスタートし、晩の8時までに夕食をとる時間割にしましょう。クマ型は昼食後に眠気に襲われるタイプなので、あえて12時には満腹にならないよう軽食で済ます方法も良いでしょう。本格的な食事に入るのは、集中時間が終わる2時以降にすると、仕事のパフォーマンスを最大限にあげられます。
【オオカミ】断食スケジュール
◆集中時間にエネルギー補給
パフォーマンスの上がらない午前中に断食時間を設定して、乗り切っていくパターンです。とくにオオカミ型は夕方からの集中時間が、他のクロノタイプと比べて長いので、その時間帯にスタミナ切れを起こさないようにエネルギーチャージをしていけばいいでしょう。それでも睡眠の質を下げないために、寝る前の2時間は食事を控えましょう。
◆集中時間に断食タイム
あえてパフォーマンスの悪い日中に食事時間を入れて、無理やり乗り切るという時間割です。朝食をとることにより、適度な咀嚼(そしゃく)と体温の上昇で、目覚めも早くなります。学校や会社の時間割に合わせ、午前中を無駄にしないためにも、朝食をとってリズムを付けることも一つの方法です。
ただし、夕方から深夜にかけての長い集中時間にスタミナ切れするようであれば、「集中時間にエネルギー補給」の方も試してみましょう。
まとめ
クロノタイプ別の4つの動物の傾向を、お分かりいただけたと思います。そしてクロノタイプによって、一日うちで集中でききる時間帯と、そうではない時間帯もそれぞれ違うということもご理解いただけたと思います。
まずはクロノタイプ診断をし、自分のタイプの特徴を知りましょう。そして、それに合わせてスケジュールを組んでいきましょう。そうすれば16時間断食の成功だけではなく、日頃の仕事の達成率も上がっていくでしょう。
どうぞ皆さま無理なく始めてみて下さい。
16時間断食の基礎サイト
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